【苔テラリウム入門】必要な道具と育て方、管理方法

How to start

テラリウムは一見、盆栽などのように管理が難しそうで、手を出しにくいと敬遠されがちです。
しかし、いくつかのポイントを守るだけで初めての方でも、楽しんでいただけるものです。

この記事では、苔テラリウムで苔、植物を育てる際の育て方、管理の方法についてお伝えします。


苔テラリウムの育て方

苔テラリウムの飼育環境の様子
苔テラリウムの飼育環境

苔は強い光が当たらず、暑くない場所を好みます。
ただし、真っ暗では育たないので、直射日光が当たらず、光量が確保できる場所で、使用している容器内が暑くならない場所に置きましょう。
明るさが足りないと感じる場合は、LEDライトの光を1日8時間程当てましょう。

蓋のあるクローズドタイプの容器を使用している場合、容器内部の水分が無くならない限り水分を足す必要はあまりありません。心配であれば、1週間に一度霧吹きで苔全体を湿らせるだけでかなり保てるはずです。

1週間に一度の霧吹きで、容器内部に水分が溜まってしまうようなら、スポイトなどで吸い出してください。


苔テラリウムに必要な道具

ピンセット、ハサミ、霧吹きなどが、基本的な道具です。

苔テラリウムに必要な道具(ハサミ、ピンセット、霧吹き)
苔テラリウムに必要な道具(ハサミ、ピンセット、霧吹き)

その他に、スポイト、水差し、スプーンなどがあると便利でしょう。

苔テラリウムの管理にあると便利な道具(スポイト、水差し、スプーン)
苔テラリウムの管理にあると便利な道具(スポイト、水差し、スプーン)

苔テラリウム作りに必要な用土

赤玉土に、富士砂と燻炭を10%ほど混ぜた土を使用します。
富士砂は仮根を付きやすくし、燻炭は清潔さを保ってくれます。


テラリウムの管理方法

テラリウムは、最近始まったものと思われがちですが、その歴史は古く19世紀のロンドンで生まれたと言われています。
近年では、「パルダリウム」「ビバリウム」「アクアリウム」などの様々なテラリウムが存在しますが、ここでは基本的なテラリウムの管理方法について説明したいと思います。

1)密閉することにより湿度を保つ
テラリウムは、容器を密閉することにより、内部の湿度を保ち植物を育てる方法です。
植物は葉から、水を出します。
密閉することで、外部に流出することのできない水分は、容器をつたい再度、用土に戻っていきます。その水分を植物は、また利用するのです。
したがって、密閉させていないタイプのテラリウムは必要に応じて水分を追加する必要があります。

2)空気も循環している
植物は葉から酸素を出しています。植物の根は酸素を必要としています。
テラリウム内は、植物が出した酸素を根が使用し、酸素を使用した残りが二酸化炭素で、二酸化炭素は植物が光合成で使用するという循環で成り立っているのです。

3)テラリウムの弱点
テラリウムには、はっきりした弱点があります。
それは高温です。
テラリウムは小さな温室状態ですので、テラリウム内部が暑くなってしまうと、中の植物が生きていけなくなります。なるべく明るく、涼しい場所を選んで設置してもらいたいのですが、夏場などで、それが叶わない場合は、密閉してあるテラリウムでも蓋を外し温度の上昇を緩和する必要があります。
上記のことから近年では、温度の上がらない陰に設置し、育成ライトで光を与えるというやりかたが多くなってきています。

4)植物が成長したら、、、
上手に管理していれば、当然植物は大きくなります。使用している容器内で、伸びた葉がいっぱいになる前に、トリミング(剪定)し容器とのバランスをとる必要があります。
葉が多くなると、植物はより多くの水分を必要とするようになりますし、姿も乱れてきます。
普通の鉢植えの植物と同じように、トリミング(剪定)してあげてください。
その方法は、内部の植物に準じます。

5)肥料
極々薄い液体肥料(ハイポネックスでしたら5000倍液)を中の植物の色が薄くなってきたら、与えるようにしてください。
あまり濃い肥料や定期的に与える肥料では、余計な藻などが発生してしまいます。

6)カビや害虫について
密閉タイプのテラリウムなら、虫・カビの侵入は少ないのですが、それでも何かの拍子に侵入してしてしまうこともあります。
その場合は侵入したものに対応した薬や、患部の切除などで対応しましょう。病気になった植物を取り除き、別の植物を植え付けるのも一つの対応かと思います。